歴史言語学の射程

  • 大学生
  • 専門
  • 一般
著者名
沖森 卓也 編
判型
A5
ページ数
624頁
ISBN
978-4-385-36243-4

長く日本語学の研究全般にわたり多くの業績を積み重ねてきた編者のもと,気鋭の研究者全36人の寄稿になる論集。すべての人間活動の基底にある言葉を,日本語の歴史総体の中で様々な視点からとらえる重厚な論考。

内容

沖森 卓也* 「いわゆる「母音交代」をめぐって」

林  史典  「日本語の親族呼称・親族名称とその歴史
 ──言語史の空隙を考える── 」

川嶋 秀之  「「岩ばしる垂水」考
 ──『万葉集』巻八・一四一八番歌の理解のために──」

仁科  明  「「ある」ことの希望
 ──万葉集の「もが(も)」と「てしか(も)」──」

尹  幸舜 「韓日現代漢文読法からみた釈読(訓読)の流れ」

肥爪 周二 「上代語における文節境界の濁音化」

笹原 宏之 「上代における国字の出現と表記の変化」

屋名池 誠 「漢文の蔭の日本語表記 ──続日本紀宣命の逆順〈語〉表記──」

山本 真吾* 「東寺観智院金剛蔵『願文集』所収願文の文体について」

鈴木  豊 「いろは歌の作者について──いろは48字説の検討──」

井島 正博 「他言語から見た上代・中古語の推量表現」

半藤 英明 「係結びの体系」

古田 恵美子 「『往生要集』成立・享受における言語生活について(一)
 ──『往生要集』執筆と二十五三昧会から見た源信の言語生活──」

田中 牧郎 「平安時代の「もろもろ」と「よろづ」
 ──コーパスによる語誌研究──」

金子  彰 「鎌倉時代の女性文書とその言語記述」

佐々木 勇 「根津美術館蔵春日若宮『大般若波羅蜜多経』の字音点について」

坂詰 力治 「室町時代口語資料の漢語と和語の混種語
 ──三大口語資料を中心に──」

趙  大夏 「『語音翻訳』のハングル音訳と琉球語の母音
 ──中期朝鮮の漢字音表記との比較を中心に──」

鈴木 功眞 「古辞書の誤字をめぐって ──倭玉篇諸本調査より──」

永井 悦子 「近世旅日記にみる女性の漢字使用
 ──中村いと「伊勢詣の日記」を資料として──」

陳  力衛* 「日本人の手による漢訳洋書
 ──村上英俊訳『西洋史記』について──」

斎藤 文俊 「明治初期における聖書の翻訳と日本語意識
 ──漢文訓読語法「欲ス」を例に──」

服部  隆 「明治時代における「文意識」と近代文体
 ──二葉亭四迷『浮雲』を例に──」

李  漢燮 「『西遊見聞』に入った日本語」再考」

チョ・ヒチョル 「「三味線」は「guitar」か?
 ──『和英語林集成』における対訳語について──」

孫  建軍 「ジョン・チャーマーズと『英粤字典』
 ──初版、再版、第3版の考察を中心として──」

木村  一* 「『和英大辞典』(1896)の略号表示
 ──[Chin.]の略号を持つ語と先行辞書との関わり──」

倉島 節尚 「『言海』『大言海』の外来語」

木村 義之* 「近代用語としての 「生活」とその周辺」

常盤 智子 「「不審顔」という語から」

阿久津 智* 「明治後期・大正期の口語文典における音韻」

安田 尚道 「上田万年「P音考」前後」

潘   鈞 「文語教育における「文体」のあり方
 ──中国人日本語学習者の長所やニーズを考えて──」

上野 善道 「三型アクセントと式保存」

大島 資生 「間接疑問文による連体修飾について」

山田  進 「語の意味記述はなにをしていることになるのか」

( * 編者・編集委員)


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  • 2018年11月25日発行
  • 定価 11,000 (本体10000+税10%)
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