イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

著者名
ナンシー・アトウェル 著/小坂 敦子・澤田 英輔・吉田 新一郎 編訳
判型
A5
ページ数
368頁
ISBN
978-4-385-36063-8

読む・書く・生涯にわたり学び続ける伝説の教師,ナンシー・アトウェル。その思想と実践を具体的に示した本書は,ライティング/リーディング・ワークショップに関心のある国語教師はもとより,すべての教育者に必読の一冊。



★教育関係者から絶賛の声!

■圧倒される本でした。 ──岩瀬直樹氏

■教室でアトウェルがじかに語ってくれているような素敵な訳文で、読み進めるのがもったいないくらいです。 ──中・高一貫私学 国語教諭

■この本に揺さぶられ、実践を変えていこうとする先生の数は決して少なくないと期待しています。 ──中・高一貫私学 英語教諭

■言語教育の分野で、このような本質的な問題提起を、自らの実践をもとに差し出していることに感動します。 ──中・高一貫私学 英語教諭

目次

少し長めの訳者前書き

第1章 教えることを学ぶ
教師としての私の物語
ジェフとの出会い/ジェフと書くこと/教師も学ばなくてはならない/アトキンソン学校/私の教室で起こったこと/ライティング・ワークショップへバランスをみつける
初版の頃/「譲り渡す」ということ
リーディングはどうなっているの?
文学に満ち溢れた場所/二人の先生/自分で読むということ/選択が生み出すこと/リーディング・ワークショップへ/「当たり前」と「論理」
【コラム】アトウェルの学校はどんな学校?

第2章 ワークショップの準備
時間を確保する
教室
ピア・カンファランスの場所とやり方/図書コーナー/用紙とファイル/「今日の予定表」/「チェック・イン表」/「執筆記録用紙」/「読書記録用紙」/「ライティング・ワークショップで期待すること」/「ライティング・ワークショップのルール」/「校正項目リスト」/「校正チェック用紙」/「ピア・カンファランス用紙」/「リーディング・ワークショップで期待すること」/「リーディング・ワークショップのルール」/「ジャンル一覧リスト」/「本の貸出カード」/「ファイル」
【コラム】悩ましい授業時間確保と人数の問題/詩をひらくように読む

第3章 ワークショップ開始
毎日読む「今日の詩」/お互いに打ち解けるためのアクティビティ/家庭学習(宿題)と授業とのつながり
ライティング・ワークショップ開始
まずは、生徒をしっかり知ることから/書く題材探し/詩の宿題から書くことを学び始める/3日目からは、サイクルを回し始める/最初の数日のカンファランスの実例
リーディング・ワークショップ開始
読む力は、読むことを通してしか培えない/教師と生徒によるブックトークの力/生徒たちが本に浸れるようにする

第4章 書き手を育てるミニ・レッスン
ワークショップで書く手順
書き手が使う技についてのミニ・レッスン/教師が書くプロセスを見せる/教師が自分で書いた詩を使って教える/それで?の法則/頭と心の法則/一粒の小石の法則/メモ書きの法則/下書きは行間を広くとる/題名の工夫
書き言葉の慣習
【コラム】書き言葉の慣習の大切さ

第5章 読み手を育てるミニ・レッスン
ワークショップで読む手順
実際に読むことについてのミニ・レッスン
心理言語学から読むことを見ると?/二つの読み方
文学についてのミニ・レッスン
批評家として詩を読む/ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ/ウィリアムズをメンターにした生徒の作品/文学が教えてくれる価値/市民の育成に欠かせない新聞記事/ジャンルとしてのテスト対策/長期休暇中の読書

第6章 一人ひとりの書き手を教える
書き手を育てるカンファランス
カンファランスでの譲り渡し/コメントは執筆中に/カンファランスは生徒のところで
書くときに遭遇する課題とその対処法
情報が不十分である/書き手の姿が見えない/余分な修飾語が多すぎる/題材が大きすぎる/終わり方がうまくいかない/書き出しがうまくいかない/読者に映像が見えてこない/情報が整理されていない/書く題材が見つからない/言葉づかいがうまくいかない

第7章 一人ひとりの読み手を教える
リーディング・チェックイン
文学について対話するレター・エッセイ
【コラム】チェック・イン=カンファランス?/レター・エッセイの役割

第8章 価値を認める・評価する
自己評価
教師による評価
次の目標を定める/段階別の成績を出す場合

巻末資料
1 アトウェルが示す多くの出版方法
2 アトウェルのカリキュラムのサイクル
3 ライティング/リーディング・ワークショップ資料(日本語)

文献一覧/図版一覧

著者略歴・編訳者略歴

<著者略歴>
ナンシー アトウェル(Nancie Atwell)
1973年に公立中学校の教師となり、1980年代からライティング/リーディング・ワークショップの実践者として活躍する。1990年にアメリカのメイン州エッジコームに学校「教師と生徒のための学習センター」(Center for Teaching and Learning)を創設し、幼稚園から8年生までの児童・生徒を受け入れ、学校全体で本物の学びを追求する教育を展開する。同時に、国内外の教師もインターンとして受け入れている。読むこと・書くことを教える第一人者として活躍し、実践に基づいた、多くの教師の指針となる著書も多い。中でも、高い評価を得てきた主著In the Middleは、1987年、1998年、2015年と三度にわたって大幅に改訂されている。教育関係の賞も複数受賞し、2015年には、グローバル・ティーチャー賞の初代受賞者に選ばれた。


<編訳者略歴>
小坂 敦子(こさか あつこ)
公立高校英語科教諭を経て、1980年代後半、ヴァーモント州にあるスクール・フォー・インターナショナル・トレーニングで学ぶ。1990年代は、ハワイ州イースト・ウエストセンターの奨学生として同センターの教員研修プロジェクトの助手をしながら、ハワイ大学大学院教育学研究科で学ぶ(博士修了)。現在、愛知大学法学部・同大学国際コミュニケーション研究科准教授。本書と関連する翻訳として、『ライティング・ワークショップ』、『リーディング・ワークショップ』(いずれも吉田新一郎との共訳、新評論)がある。


澤田 英輔(さわだ えいすけ)
国語科教員となってから書くことの教育に関心をもっていたが、2008年にライティング・ワークショップに出合い、実践を開始。2015-16年にはエクセター大学大学院教育学研究科で書くことの教育と教育研究法について学び(修士修了)、同年にはナンシー・アトウェルの学校のインターン生になる。現在、筑波大学附属駒場中・高等学校国語科教諭として、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップを模索しつつ実践中。授業に関連した内容のブログ「あすこまっ!」も書いている。


吉田 新一郎(よしだ しんいちろう)
10年間の準備期間を経て、1989年、国際理解教育センターを設立し教育に関わりはじめる。2005年以降は、ライティング・ワークショップ(WW)とリーディング・ワークショップ(RW)を普及している。2014年には、それらの算数・数学、社会科、理科への応用プロジェクトをスタート。本書と関連のある著書・訳書は、「作家の時間、オススメ図書紹介」で検索すると見られます。「WW&RW便り」「PLC便り」「ギヴァーの会」の3つのブログを書くのが趣味!


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  • 2018年08月10日発行
  • 定価 2,640 (本体2400+税10%)
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